2/23 食事会と前例なき未来

ゲームはゲームオーバーが嫌いで、ゲームクリアが苦手。ゲームオーバーに至る過程を評価して欲しいし、終わらない物語が良い。死ぬ時以外は自分の判断でケリをつけることしかないのだし。あと、現実世界に還元されないのは、なんだか納得いかない。

 

今日の夕飯は、下町のお世話になっている方のおうちにお邪魔をして、食事をした。何もないところに生まれた僕は、いくら高齢化社会と言われても、下町の生活が好きで気に入っている。

 

その方々は、歳は自分の親と同じくらいだ。

食事と酒が旨いだけでも最高だが、話に中身がないという素晴らしさが、この食事会にはある。全く、中身がない素晴らしさは、僕の人生を豊かにしてくれる。何か意味があり続ける日々など窮屈でたまらない。

話に全く意味のない人付き合いが、好みだ。

そこには意味がないから良い。死ぬまで意味がなくてもいい。死後、周りの人間が勝手に「千葉さんがあんなに偉大な作家になったかを知っているか?」と我が物顔で、下町の食事会について語ればそれでいい。

 

冒険の日々は、結果を求めるが、結果が全てではなかろう。魔王を倒すことはもちろん、しかし出会う人々の時間を大切に過ごさずして、本当の人間らしさなど生まれるのだろうか?

 

思想偏重、理論偏重、どんなに足掻いたって人間は不合理でしょう。

 

もしも僕が、ドラゴンクエストのような物語を作るのだとしたら、夜、みんなで飯を囲む時間を書きたいのだ。読者に、美味そうに思わせたいし、一人じゃない食事の時間があるから生まれる情緒を伝えたいと思う。

 

映画になるのだとしたら、行間になってしまうかもしれないこの日の出来事が、半信半疑の自分を生み出し、更には信じで踏み出せる自分をも生み出すのである。

 

ようこそ、前例なき未来へ。