7/29 『イメージの本』、非難は喝采
映画界の異端児にして最高峰の監督、ゴダールの最新作『イメージの本』を観た。
クリントイーストウッドもそうだし、ケンローチも宮崎駿も、この世代の創作意欲と描いているものに恋い焦がれる。
『イメージの本』は、神の映画だと思った。それは90分近くの作品を全くと言っていいほど理解していないからに他ならない。いくつかの記号論的キーワードには触れられたけど、何をテーマとしているかなんて全然わかりやしなかった。ただ、眠りに落ちそうな瞬間に思いもよらぬフレーズが蘇ったので、これは第六感で観る映画なのかもしれない。
観終わった後、シネ・ウインド館長齋藤さんに「なにやったっていいんだね。そうゴダール先生が言っていたよ」と声をかけられ、自ら口にする以上の実感があった。
この作品に、
孤高の背中を見た。
世間は熱狂しない。ついていけない人間は置いてけぼりになる。ただ作品はある。人は死んでも作品は残る。歳を取っても作品は色褪せない。
非難は喝采だ。
分からないと思えば思うほど、作品が偉大となる。そういう作品を観た。