7/28 『わたしはダニエル・ブレイク』
サンデクジュペリ『戦う操縦士』で、彼は自由を「<<人間>>の上昇」と呼んだ。これは個人が高められるというよりも、モラルの文脈で語られる言葉だ。<<人間>>とは、神の言い換えだと思う。(人類を、モラルある存在として捉えている。個々が結びついて生まれた「総和」とは違う)
彼は、神から与えられた人間の文明(社会保障、安全保障のことだと思う)を守るためにノルウェーを救おうと奮闘した。
その際の出来事が、本書で綴られている。
正直、全くといっていいほどサンデクジュペリが書いていることを正確に理解していない。ただ感動があるだけだ。
自由は、これまでの人生で何度も考えてきた。そして、すごく分かるようで分からなかった。
この本で、改めて文明や憲法などシステムを根拠づけるものや、法律や制度のようなシステムを知りたくなった。
そして夜、ケン・ローチ監督の『わたしはダニエル・ブレイク』を観た。疑似家族を作らなければ生きていけない人たちが、不条理に曝される姿を観ていると、映画を撮る自由について考えたくなるし、彼の作品から滲み出る質実剛健さが、照明とは闇や影を照らし人を映えさせるものだということも分かった。
ありがとう、ケン・ローチ。
俺は闘い方の片鱗をあんたから学んだよ。