1/13 ツルハシ
ゴールドラッシュの時代、ツルハシを売った人間が一番稼いだというのは有名な話だ。きっとツルハシはたくさん売れただろうが、競争の過程で差別化することも迫られただろうし、金脈になれなかったツルハシ売りもいるだろう。
本屋に行ったとき、ビジネス書は読まない気持ちでいたが、スノーピークの新冊を見つけ、手に取らないといけない気分になってしまったのでページを開いた。
目次を読んで内容を読んだが、大して面白くなかったし目新しい発見もなく、趣味が違かった。
しかし、スノーピーク社長の周りには人が溢れていたのを私は何度も見ていた。
本と本人の印象の食い違いは、違和感として残り続けた。
さて、インターネットが加速した現代、YouTubeやSNSの台頭で、映像作品の再生数やシェアの数でコンテンツに対する好感度が数字で「見える」ようになってきた。俗に言う「見える化」である。
YouTubeや Googleが全盛期であるいま、限られた尺度でしかデータは集められていない。が、データ集めの概念を考えたいものが勝つというのがプラットフォームというものだ。YouTubeやGoogleは尺度を提供し、多くの人がその尺度の中で物事を判断する。
数字を出している人間ほど、仕事は集まるだろう。ロマンを求めなければ、人は確実に成果が出る方に行く。
それは、素晴らしい時代だと思っているし、是非生かしたい。
しかしだ。
俺はやっぱり、誰も知らない金脈の方を掘り当てるほうが好きだな。人生のほとんどの時間、笑われていようとも。
まぁ、今はそのためにも立派なツルハシを買うお金と、目を養いたいかな。笑