8/18 旅の終わり、妄想の始まり

2時には目が覚めて、一週間分の発汗量をシーツに気持ち悪くなり、インスタントコーヒーを口に含んだ。

 

こんな時間に起きてしまったら、何をすればいいのか、数分迷った挙句、心の調子を整えるために早く起きたのだと思い、一時間ほど心の休息を取ることにした。

 

敷地内のクラブハウスのなかで、コーヒーを飲みながらぐるぐると回る。楽しい。昔のことを思い出し、適度に不健全な妄想を嗜む。

 

作品のことを思うまいと決めていたが、気づけば作品への情熱を感じていた。ものづくりは、情熱だ。改めて気づく。理想に対する謙虚さが今の自分にはあるだろうか。考えてみても分からないということは、まだまだなのだ。だから考えるのをやめにし、健全な妄想へと切り替える。

 

芸能界に対してのミーハーな自分は決して嫌いではない。田舎育ちでお笑い番組が好きだったから仕方がない。

 

妄想が現実のレールから大きく踏みはずしたところで、遂に時間が来た。

 

4時半。空港へと向かう時間だ。

 

あくせく生きないためには、終わりの時間を一人で過ごすことが大事なのかもしれない。

 

飛行機は、07時に飛ぶ。その頃には夜が明け、陽が迎えてくれるだろう。

 

空では何を想うのか?

空想は、人生の醍醐味の下ごしらえだ。ここを怠れば不味いものをみんなで味合うことになる。

 

 

陽に肌は爛れ、大粒の雨は緊張と好奇心を掻き立てられたこの一週間の旅も、ようやく今終わりを迎えた。